吉田さん姉妹は幼い頃にお母様を亡くされ、それからはお父様と姉妹の三人で暮らしてきました。そのお父様が突然の病に倒れ、急逝してしまったのです。
なにしろ突然のことで、姉妹はかなり動揺していました。
病院で「これから何をどうすればいいの?」と、戸惑っている二人に、ある葬儀社の男性が声をかけてきたので、その人にすべておまかせしてしまった、と言います。
そのときの葬儀社からの説明は、「当社には、とてもお得なパック料金がございます。何も心配することはありません。50万円パックを使えば、世間様に恥ずかしくない葬儀ができるのです」というものだったそうです。
後になって姉妹は、【50万円】という区切りの良い金額と、【世間様に恥ずかしくない】という言葉に惹かれてしまったことを悔やみました。葬儀の準備があわただしく、じっくりと説明を聞くこともしなかったし、何よりも「見積書」の詳細を確認しないで、「おまかせ」してしまったのです。
葬儀が終わってから、清算するためにあらわれたのは若い女性事務員で、「お支払い、お願いします。」と言って「合計172万円」という金額が書かれた請求書を差し出したそうです。
「50万円パックって言ったのに!どうして?」と聞くと、女性事務員がこう答えました。
「確かに50万円のパック料金をもとにして計算してありますよ、何の間違いもありませんけど。」
「もとにして計算…?」
姉妹が見た見積書には、虫メガネでも使わなければ見えないような小さな字で≪パックに含まれる内容≫が書かれていました。
その内容説明はとても不親切で、とても「お得」と言えるしろものではなかったのです。
例えば、「霊柩車の使用料無料」と大きな字で書かれているのですが、「ただし、10kmまで」と小さな字で条件がつけられていて、10kmを超えると5kmごとに何万円も追加料金がかかるという仕組みです。
その他いろいろなものについても同様で、≪パックに含まれる内容≫は、最低限必要なものの中でも、ごくわずかしか含まれていませんでした。

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