葬儀の式場にはりめぐらす、白と黒が同幅で縦に並んだ幕のことを「鯨幕(くじらまく)」と言います。
お葬式=白黒の幕、というイメージがわくほど一般的になっていますが、その歴史は以外にも浅く、全国的に広がったのは昭和に入ってからでした。
日本人は古くから、海の恵みである“鯨”から、大きな恩恵を受けて暮らしてきました。食用とするばかりでなく、骨や皮まで余すところなく全てを生活に役立ててきたのです。
「鯨幕」の名前が付けられたのは、鯨の背の部分は黒く、腹の部分は白いため、白黒の2色から鯨を連想したからです。それだけ日本人の生活にとって、鯨はなじみ深い存在だったということですね。
「黒」は高貴な色とされ、もともとは弔事・慶事に関係なく使われていて、皇室では現代でも慶事に鯨幕を使うことがあります。
古来、日本で“弔いの色”とされていたのは「白」ですが(死装束が白で作られているのはそのためです)、欧米から弔事の色を「黒」とする習慣が入ってきたことが合わさり、鯨幕ができあがったという訳です。

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