先祖代々のお墓があるお寺、または新しくお墓を求めたお寺のことを「菩提寺(ぼだいじ)」と言います。
インドのサンスクリット語。bodhi(ボーディ)の読みを漢字にあらわしたものが「菩提」で、「やすらかな“さとり”の境地」という意味の言葉です。
菩提寺は、「菩提所」「檀那寺」ともいい、その家の葬儀や追善供養を代々にわたって営むものです。檀家制度により、かつては必ずどこかの寺の檀家になる必要がありました。明治になって檀家制度は廃止されたのですが、菩提寺と檀家の「付き合い」は、現在でも続いています。
寺にはすべての檀家の記録ともいえる「過去帳」があり、地域の歴史を知るうえでもとても貴重な存在となっています。昔の庶民にとっての菩提寺は、ただ、葬儀を行なうための場所ではありませんでした。悩みや困り事があると菩提寺に相談に行ったり、皆が集まって僧侶から法話を聞き、交流を深める場にもなっていたのです。その御礼の気持ちとして、庶民は僧侶に自分たちで作った野菜や穀物を贈っていました。
財施(お金や衣食を施す)、法施(仏の教えを説く)、無畏施(心から怖れを取り除くこと)の“三種の布施“が、自然なかたちで行なわれていたのが、菩提寺なのですね。

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